患者様・ご家族の体験談

家族思いの母が突然認知症に、
遠距離介護で支える私の思い

「電話で話していて言葉が出ず、『あれ』『これ』という指示語が増えた」。阿部郷子さん(59、都内在住、女性)は、独居しているお母さんの認知症に気付いたきっかけについて、こう語ります。姉妹は合わせて4人いますが、実際に介護ができるのは阿部さんと妹さんだけ。在宅勤務フルタイムの仕事の傍ら、遠距離介護で一人暮らしのお母さんを支える阿部さんに、認知症の親を世話する苦労、悩みを聞きました。

阿部知子さん

阿部 智子さん(仮名)

【ご家族の状況】

母:83歳 独居、ショートステイロング利用中

81歳で腰椎圧迫骨折(複数回)、
同時に大腸がん発覚、手術、
パーキンソン疑い、
強度白内障で視力低下、
車いす利用、伝い歩き可。

家族構成図

―認知症のお母さんの現状、症状などについて教えてください

母は現在83歳、介護サービスのショートステイロング(短期入所生活介護の長期使用)を利用し、ひと月に数日間は自宅だけで過ごす生活を送っています。81歳の時に腰椎圧迫骨折で腰を痛めてしまい、移動は基本車いす、かろうじて伝え歩きはできる状態です。また、大腸がんの手術や白内障の発症で体力、視力ともに急激に落ちました。最近はパーキンソン病の疑いも医師から伝えられており、投薬治療を受けています。 認知症の進行度としては、時間感覚が薄れ食事など生活の予定が自分で立てられず、スマートフォンなど電子機器の扱いが難しくなりました。腰を悪くしているせいか徘徊はなく、記憶や意識なども比較的はっきりしていると思います。

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『母との電話で異変、「あれ・これ」多い…もしかして認知症?』